利益の共有ができることを示したものの勝ち

RFID活用が期待に比べて広がらないのは、RFIDを活用することで得られる利益より費用の方が大きいためである。
と言い切ってしまっては身も蓋もないのだが、導入効果の多くを得られるのが川下の企業である一方、ICタグの貼り付け等の費用を負担するのが川上の企業だったりするのだから、サプライチェーンの中での活用が難航するのもむべなるかなというところか。

まあ、大手企業が、取引の停止をもちらつかせたりしながら下請の「自助努力」を要求するという図式は今に始まった話ではないのだが、ウォルマートは既に部分的運用を開始しているデータの蓄積があるのだから、本来はそれを利用してサプライヤーと共有する利益を語ることができるはずだが、まあ、それができるほどに上手くは行っていないのだろう。Win-Winモデルの提示がなくても、こういう取組の中から「自助努力」で利益共有を実現できるサプライヤーが出てくるのだろうか。

ウォルマートは2008年1月、約1万社の全サプライヤにICタグ張り付けを要請するレターを送付した。その概要を今回、公の場で初めて明らかにした。
【RFID Journal LIVE!】「全商品にICタグを付けて」と米ウォルマートが宣言、対応しないと“罰金” | 日経 xTECH(クロステック)